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今日は『エレファント・マン』あのデイヴィッド・リンチ監督の超絶正統派映画。
2回目の鑑賞ですが、最初に観たのがいつだったかもう全く思い出せないくらい前なので、ジョンが「ありがとう」と「友よ」的な言葉をたくさん言っていたこと以外はほぼ覚えていなかったですが、しっかり面白かったです。
まずは概要
原題:The Elephant Man
上映時間:124分
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:クリストファー・デヴォア/エリック・バーグレン/デヴィッド・リンチ
出演者:ジョン・ハート/アンソニー・ホプキンス
公開:1980年
製作国:イギリス/アメリカ
あらすじ
割りと有名な映画だしストーリーも正統派なので、あまり説明することがないような気がしますが…。
19世紀のロンドンでエレファントマンと呼ばれた奇形のジョン・メリックさんが見世物小屋で凡そ人間とは思えない扱いを受けて過ごしていた中、レクター博士ならぬアンソニー・ホプキンス医師が研究したいんだか、学会で発表したいんだかで見世物小屋から病院へ引き取りましたとさ。
口も歪んでいてまともに喋れないようだし、どうやら知能にも遅れがあるようだって診断したのですが院長に意思の疎通ができると思わせられないと病院を追い出されそうだから、とりあえず挨拶とか教えなくては…!!って数時間レクチャーしたけど、そんな付け焼き刃みたいな方法はうまくいかず…と思ったら!!みたいな感じです。笑
すごい適当に書いてしまいましたが、実在の人物のお話しなのであまり茶化したあらすじを書く気持ちには当然なれず…
ネタバレ無し感想
多分初めてみた時はデイヴィッド・リンチ監督も知らないで観たので穿った見方もしないでとても感動したり、胸が締め付けられるような思いをしたりと映画自体を純粋に観ていた気がします。
が、そこから何年何十年とたってあのデイヴィッド・リンチ映画だよ。と思いながら観るとそれはそれで面白いんですよね。
鬼才感ないというか、カルト映画じゃないとか色々思ってしまいますが、ちゃんと正統派の内容を正統派に撮って感動させられる技量があるからあんなぶっ飛んだ映画をちゃんとまとめられるんだよなーなんて妙に納得してしまう出来。
まぁ私は『ストレイト・ストーリー』が大好きなので元々そんなに違和感はないというか『ストレイト・ストーリー』のがらしくない感じなので…笑
1980年の映画ですがあえて白黒だったりして、やっぱり一癖あると言うかセンス?感性が凄い。
19世紀感はでるわ、奇形のジョン・メリックさんがホラーな雰囲気にならないわ、どこか現実離れした感じになるわでこの映画とモノクロ映像の親和性は凄いと思う。
ジャケットで怖そうな話なんじゃないか??とか
デイヴィッド・リンチ監督って聞いて身構える人も。
そもそもデイヴィッド・リンチ監督って誰??って人も心配しないでみて大丈夫です!!
ネタバレ有り感想
さて、ネタバレあり感想です!!
さきに正統派、正統派言ってしまったのでストーリー展開が想像ついてしまうのではないかと思ってストーリーに触れる感想が書けませんでした…笑
起承転結がしっかりしていて、本当に見易い映画です。
見世物小屋から救ったつもりが、病院でも結局富裕層相手の見世物になってしまっている展開とか凄いです。
割と思いつきそうな展開ではありますが、メリックさんの生い立ちを考えるとつい普通に幸福な展開に持って行ってあげたくなるのが人間の心情というか…
(どこまでが事実で、どこからが映画の脚色なのか調べられておりませんが…)
一瞬、最強婦長さんがアンソニー・ホプキンスに指摘しますが「彼も楽しんでる」と聞く耳持たなかったですね。
それでも本を読んだり、芸術に触れたりと本来自分が愛するものに自由にではないですが触れられてメリックさんも見世物小屋時代よりは大層幸せそうに見えます。
が!!やっぱりどう考えても不自由そのもの。
部屋からは出れず、ひっきりなしに来客という名の見世物にされ、病院に置いてもらっているのに治療をしてもらえるでもなく…
若い頃見た時は感動的な映画だと思った記憶があったのですが、なんか全然ですね。
やっぱりリンチだ。
後半の展開も一見幸せそう、不幸になる、一見幸せそうって緩急つけて映画として心地良いつくりにしているのも一周まわって暴力的というか…
(感動ポルノという言葉があるんですね。お友達が言っていて知りました)
フリークスを一見感動的に撮って映画にして、それを観て楽しむ我々の事も「見世物小屋楽しみにきた客だよ」って感じのデイヴィッド・リンチ監督のいや~ならしさを感じますね…。
映画の最後は"普通の人たちと同じようにベッドに横になって眠りたい"と言っていた夢を叶えて亡くなるメリックさん。
感動どころかしんみりするし、微妙に嫌な気持ちになって、この感想も終わり。
ぱぷぽ